必要資金額の調達は困難 仏ロは拠出表明せず 
イラク復興支援会議開幕 

 【マドリード23日共同】イラク復興支援会議が二十三日、日本や米国、欧州諸国など約七十カ国・機関が参加してスペインのマドリードで開幕した。世界銀行が試算した五百五十億ドル(約六兆円)の必要資金に対し、米国の要請を受けた各国がどの程度の資金拠出を表明するかが焦点。イラクへの早期の主権移譲を求めるフランスやロシアは拠出を表明しない姿勢で、必要資金の調達は困難な状況だ。

 米国主導のイラク戦争と戦後統治への各国の政治姿勢は、資金協力への対応に大きく反映している。

 会議は二日間。日本は十五億ドルの無償資金を含め、四年間で計五十億ドル(約五千五百億円)の拠出を表明する。百八十五億ドル以上を拠出する方針の米国に次ぐ第二位の拠出額となる見通し。

 フランス、ドイツなどは、欧州連合(EU)が拠出する二○○四年の二億ユーロ(約二百六十億円)に含まれる自国負担分以外は追加支援しないと表明していたが、ドイツは二十二日、世界銀行などの経由分を含めて計一億九千三百万ユーロまで支援額を拡大。フランスとの微妙な違いを示した。

 二十三日は主催国スペインのパラシオ外相や国連のアナン事務総長が開幕あいさつで各国に協力を要請。スペインを議長に人道問題フォーラム、米国を議長に人権、治安、司法などについて討論した後、イラクのインフラ、健康、金融サービス、水と衛生、教育と訓練、環境と文化などを分科会で議論する。

 二日目は世界銀行のウォルフェンソン総裁、イラク統治評議会のアラウィ議長らが演説。川口順子外相ら主要国の外相が資金拠出を表明し、イラク代表が○四年以降の復興の見通しを説明する。

(了) 10/23
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